Joyson Safety Systems

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June 18, 2021

彦根製造所およびフィリピン子会社におけるウェビング試験データに関する調査結果について

2021年6月18日

ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン株式会社

ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン株式会社(本社:東京都品川区、代表取締役 岩満久好、以下、「当社」)は、当社の彦根製造所、および当社フィリピン子会社におけるウェビング製品の試験データの書き換え問題(以下、「本件書き換え問題」)について、外部弁護士を含む調査委員会(以下、「調査委員会」)によるコンプライアンス調査(以下、「コンプライアンス調査」)を実施するとともに、当社品質保証本部によるウェビング製品の品質への影響の有無についての技術的な検証(以下、「品質再検証」)を継続してまいりましたが、この度、本件書き換え問題に係るコンプライアンス調査及び品質再検証(以下、併せて「本件調査」)を完了いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。本件調査の詳細につきましては、添付資料をご参照ください。

1.経緯

当社は、2020年4月30日に当社の内部通報窓口に内部通報があり、内部通報窓口担当の外部弁護士である鎌倉法律事務所の鎌倉広明弁護士(以下、「鎌倉弁護士」)を通じて内部通報者に対して聞き取り調査を行っていたところ、通報者から当社の彦根製造所で製造されているウェビングに係る試験データの書き換えが長年にわたって行われていることを示唆する発言がなされました。そこで、鎌倉弁護士を中心に、直ちに初期調査を開始しました。

2020年6月中旬、初期調査の過程で、当社の彦根製造所で製造されているウェビングに係る試験の結果を記載するウェビング検査月報に転記する段階でその数値が書き換えられていたことが判明しました。その後も、鎌倉弁護士が調査を継続しておりましたが、より詳細かつ正確な事実関係の解明、原因の究明、再発防止策の検討等を行うことを目的として、2020年10月22日に、JSSグローバルの内部監査責任者であり当社監査役でもあるRichard Hinstonを調査委員長、弁護士法人大江橋法律事務所の松井衡弁護士及び鎌倉弁護士を外部調査委員とする調査委員会を設置いたしました。

2.不適切行為の概要

調査委員会は、コンプライアンス調査として、過去20年にわたる生産・試験データの検証、関連帳票及び社内規程等のレビュー、電子データの収集・分析並びに関係者に対するヒアリングを実施し、本件書き換え問題の有無及び内容を調査して参りました。その結果、彦根製造所及び当社フィリピン子会社の事業所において、ウェビングに係る監査検査(製品の品質が法規及び顧客の要求事項に適合していることを確認する抜き取り試験)の試験結果について、ウェビング検査月報(シートベルト製品に係る監査検査の結果を顧客に報告するために作成されるシートベルト検査月報の原資料となる、ウェビングに係る監査検査の結果をまとめた書類)に転記する段階で、不合格の試験結果を合格の数値に書き換えていたことが確認されました。また、彦根製造所及び当社フィリピン子会社の事業所が製造したウェビングについては、これに関連して、不合格の試験結果に対する所定の是正処置(上長への報告、不合格原因の確認等)が行われていなかったこと、さらに彦根製造所においては、工程能力調査票(ウェビングの品質の安定を確認するための社内文書)の作成時にも試験データの書き換えが行われていたことが確認されました。

このうち、ウェビング検査月報における試験データの書き換えが確認された件数は、以下のとおりです。

彦根製造所 当社フィリピン子会社の事業所 合計

書き換え総数

966件 34件 1,000件
日本の法規との関
係で不合格と判定された試験結果の書き換え
110件 14件 124件

※書き換え件数は、試験項目ベースでカウントしています。

※彦根製造所での書き換えは、2000年1月から2020年1月まで、当社のフィリピン子会社の事業所での書き換えは、2001年1月から2015年1月までの期間で確認されました。

3.ウェビング製品の品質再検証

また、上記2の不適切行為が確認されたことを受け、当社は、コンプライアンス調査と並行して、当社品質保証本部を中心として、過去の生産データ、試験データの検証によるウェビング製品の品質再検証を実施しました。具体的には、ウェビング製品について、個々の不合格結果の検証、再試験が実施されている場合の当該結果の検証に加えて、次の3つの検証を行いました。

(1) 試験実施方法の検証

法規規格との関係で課題ありとして不合格となった試験結果を見た場合に、同一ロットから切り出されたサンプルを用いて実施された同一の試験項目について不合格と合格の試験結果に大きな乖離があるケースが見られることから、試験実施方法が適切でなく又は設定を誤っていたため試験として成立していなかった可能性を検証しました。

(2) 最悪製造条件での再現検証

法規規格との関係で課題ありとされた製品の製造管理履歴をもとに、彦根ウェビング問題の調査対象期間(2000年1月から2020年7月)において実際に使用された、試験項目との関係で最も不利な製造条件を用いて製品を製造し、その品質を検証しました。

(3) 市場調査

品質再検証の対象ロットのウェビングの組み込まれたシートベルト製品及びチャイルドシート製品を市場において回収し、法規規格との関係で課題あり、かつ、試験データの書換えが行われたウェビングの試験を146回行い、その品質を検証しました。

以上の検証の結果、耐摩耗性、難燃性、耐光性、染色堅牢度の4項目については、不正確な試験が実施されていたことが原因で不合格になっていた可能性が高いことや、市場からの回収品の試験や再現検証を実施した結果、規格を満たしていることが確認されました。(以上の4項目の内、染色堅牢度については、日本の国内基準には規定されていない項目です。)

他方で、仕事量に関しては試験の実施方法に問題は見つからず、過去の試験で法規規格との関係で課題ありとされたウェビング製品が市場に流出した可能性を完全には否定できなかったため、該当ロットのウェビングを組み込んだシートベルト製品を市場から回収し、仕事量試験を実施しました。回収品の試験結果に不合格はありませんでした。また、カーメーカーに検証へご協力いただき、ウェビング単体で仕事量につき法規規格との関係で万が一課題がある場合であっても車両衝突安全性に問題はないことを確認頂いています。

以上から、ウェビング製品の品質において本件書き換え問題に起因する問題はなく、本件書き換え問題がウェビング製品を組み込んだシートベルト製品およびチャイルドシート製品の安全性に問題を生じさせるものではないとの結論に至りました。

このほか、当社は、現在、当社及び子会社が製造する製品に関し、品質総点検を進めております。

4.不適正行為発生の原因及び再発防止策

当社はデータ・インテグリティを品質管理の大原則とするJSSグループの行動規範に基づき、適正な行動とコンプライアンスの遵守に努めてまいりましたが、このような事態を招いたことは誠に遺憾です。お客様および関係者の皆さまにはご迷惑とご心配をおかけしておりますことを、深くお詫び申し上げます。

調査委員会から指摘を受けた不適切行為の発生原因には以下のものが含まれます。

(1) データの完全性を含む品質管理プロセスの軽視

データの完全性を含む品質管理プロセスの重要性を社内に意識付けることを目指したグローバルコンプライアンス・プログラムが個々の従業員に浸透するには至りませんでした。そのため、原因の一つとして挙げられている生産リードタイムから生じるプレッシャーをコンプライアンスに優先する事態となっておりました。

(2)品質管理・品質保証機能の不十分性

    彦根においては、品質管理機能が製造室内にあったこと、又、フィリピンにおいては、職務分掌の理解が不足しており、品質管理・品質保証機能が十分に機能していない事態となっておりました。

(3)書換えを防止できる技術的・手続的措置の不在

ウェビング検査月報の作成に手作業の部分が多く残されており、不適切行為を生じさせることを可能とする環境が存在しておりました。

 当社は、二度とこのような事を起こさないため、社内に部門横断の特別チームを編成し、以下の施策を4本柱として、上記の原因に対応する再発防止策を進めております。

(1)「コンプライアンス教育の強化」

双方向トレーニングを導入し、すべての階層の従業員における、品質管理、データの完全性に対するコンプライアンス意識の向上を目指しています。

(2)「組織体制の見直し及び試験業務の監視機能の是正」 

製造機能と品質管理機能を完全に分離するとともに、試験の評価方法の見直し、試験不合格品の情報共有、是正措置手続きの確実な実施を、組織分掌の明確化、ルールの整備及び監査の徹底により実現します。これらに加えて、品質管理・試験業務に携わる人員を拡充することで、品質保証機能が十分に役割を果たす組織体制を確立いたします。

(3)「データの書き換えができない技術的・手続的措置の導入」

試験結果を自動的に記録する測定機器の導入、階層別監査による手続きの完全な実施の確保により、不正の機会を排除します。

(4)「設計品質の向上と品質工学教育の充実」

さらに、上記の対策をより一層効果的にするため、設計部門・品質保証部門・製造部門の連携を強化し、品質が安定した製品を製造する体制を、品質工学教育制度を新設することにより確保いたします。

上記の対策を確実に実行する事で、今後より一層のコンプライアンス強化に努めて参ります。

5.責任と対応

当社といたしましては、この度の事態を重く受け止め、現経営陣の経営責任を明確化し、上記の再発防止策の遂行に不退転の覚悟で臨むことを明らかにするために、代表取締役社長の月額報酬の10%(3か月分)の減額を決定いたしました。

現経営陣に課された責任は、お客様、お取引先様はじめ関係者の皆様の信頼の回復に全力で取り組んでいくことにあると考えておりますので、今後は、より一層のコンプライアンス強化に努め、再発防止とともに信頼の回復に取り組んで参る所存です。

以上

■添付資料

「ウェビング試験データの書き換えに関する調査報告書」

■本件に関するお問い合わせ先:

ジョイソン・セイフティ・システムズ・ジャパン株式会社 事務局

JoysonSS@edelman.com

資料のダウンロードはこちらです

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